日比NGOネットワークとは

JPNの設立経緯

2006年4月、日本とフィリピンの国交が回復して50年目の「日比友好年」の年に、フィリピンに関わる日本のNGO関係者が集まり、国内の関係NGO間およびフィリピンのNGOとの情報交換と協働を推進することを目的に「日比NGOネットワーク(JPN:Japan-Philippines NGO Network)」発足させました。フィリピン側では、日本側のJPN設立準備委員からの早い段階からの呼びかけにより、フィリピン現地NGOによる「比日NGOパートナーシップ(PJP:Philippines-Japan NGO Partnership)」(事務局:Caucus of Development NGO Networks (CODE-NGO))が2006年2月に発足しました。そして同年11月に、両ネットワークと、準備資金を確保し事務局の役割をした(特活)アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)の3者が協力して、第1回の「日比NGOシンポジウム」をフィリピンのマニラ首都圏タギグ市で開催し、両ネットワークの設立を広報する場とし、その後の両者の協働について展望を行いました。

JPNの活動目的

フィリピンの人々との協力活動を行う日本のNGO間の相互理解および協力関係を促進するとともに、日本とフィリピンのNGO 間の協働を推進することにより、両国市民社会の創造的な関係構築に寄与する。

日比NGOネットワーク会則(2021.6.17改定)

JPN会員団体

2023年4月現在、フィリピンにおいて貧困削減、環境保全、人権擁護等の活動に取り組む日本のNGO 12団体(正会員、準会員)、1大学ゼミナール(準会員)、研究者(準会員)が参加しています。

正会員団体(10団体)

(特活)ACTION
(特活)アクセス-共生社会をめざす地球市民の会
(特活)アジア・コミュニティ・センター21
(特活)イカオ・アコ
(特活)金光教平和活動センター
(特活)ビラーンの医療と自立を支える会
(特活)フィリピン日系人リーガルサポートセンター
(特活)ヘルピングハンズアンドハーツジャパン
(特活)WE21ジャパン
(特活) DAREDEMO HERO

準会員団体(2団体・1大学ゼミナール)

(特活)国境なき子どもたち
(特活)LOOB JAPAN
大学ゼミナール(神奈川県内の大学)

詳細な参加団体紹介

日比NGOネットワークの主な活動内容

①日比NGOシンポジウムの開催

日比NGO間、および他セクターとの情報の共有と連携の構築を目的とし、2010年度末までに「日比NGOシンポジウム」を計3回(2006年マニラ、2008年東京、2010年ダバオにて)開催しました。本シンポジウムには、フィリピン支援に関わる日比NGO関係者、政府・財団関係者、大学教員・学生等が参加して互いの活動や共通の達成目標について理解を深めた結果、新しい連携が築かれ、協力の輪が広がってきました。
(注:外務省では現在「国別援助方針」を作成中。)

過去のシンポジウムの概要と成果:
第1回 日比NGOシンポジウム 2006年11月24日~26日(フィリピン、マニラ)
第2回 日比NGOシンポジウム 2008年7月17日~19日(日本、東京)
第3回 日比NGOシンポジウム 2010年8月25日~27日(フィリピン、ダバオ)

②「日比NGO協働基金」構想

過去の「日比NGOシンポジウム」で採択された宣言、行動計画により、日比両国の民間セクターと政府等から拠出金・寄付金からなる「日比NGO協働基金」の設立を目指しています。この基金により、日比のNGOが協働して実施するフィリピンの貧困削減プロジェクトや、両国の人材・経験交流プロジェクト、プログラムを推進することを目指しています。 詳しくはこちらをご覧ください。

③「分科会」活動

JPNとPJPのメンバー団体が連携して、フィリピンの開発課題を分析し、それぞれの団体が得意とする各分野:「子どもの教育」、「母子保健」、「有機農業、農村開発」、「在日フィリピン人支援」、「平和構築」、「地域防災」、「先住民族」などテーマ別の「分科会」を設け、学習会、協働プロジェクトの開発等の活動を行ってきました。

④日比NGOの現状調査などの調査研究活動

「フィリピンに関わる日本のNGOダイレクトリー」、「フィリピンに関わる日本のNGO活動の概況」(2008年)、両国NGOが協働する上で大切な、支援地域や活動の概況をまとめ、発行しています。これらは英文に翻訳され、フィリピンのNGOの間でも活用されています。
また、フィリピン側の「比日パートナーシップ(PJP)」はACC21の助成により、これまでの対比日本政府開発援助を分析し、新しい資金助成の仕組みの提言を調査報告書*としてまとめました。これは、現在の「日比NGO協働基金」構想の基盤となっています。
*『新たな形の協働関係の構築に向けて:比日NGOの貧困削減への貢献および比日NGOの協働関係を支える資金助成の仕組みについて』
JPN出版物についてはこちら

⑤日本政府「対比国別援助方針」のフォローアップ活動

2008年にスタートした日本政府「対比国別援助計画」(5ヵ年計画)には、とくに「NGO」との連携を推進する、という提言が明記されました。JPNはPJPと連携し、フィリピン、日本において、日本の対フィリピンODA(政府開発援助)が現場ニーズを反映した活動を実施しているNGOにより、より活用されるべきであるという信念のもと、「対比国別援助計画」を実行するよう、日本政府に対して積極的に働きかける提言活動を行ってきました。また、2012年3月、「対フィリピン国別援助方針」に対するパブリック・コメントの募集に対し、日比NGOネットワークのメンバーは世話人の名前で外務省に提出しました。

⑥その他

日比両国の社会で、日比両国の連携や取り組みを知っていただき、賛同者を増やすことを目的に、各種イベントへの参加をしています(「日比NGOフェア」への出店:活動紹介と物品販売 (マニラ) 2006年11月24日~26日など)。