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学習会「フィリピンの経済社会開発の課題と国際協力:私たちの役割を考える」を開催しました

2020年01月29日

学習会「フィリピンの経済社会開発の課題と国際協力:私たちの役割を考える」を開催しました

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 2019年12月19日木曜日、講師に中央大学の伊藤晋氏(前フィリピンJICA事務所長)をお招きし、「フィリピンの経済社会開発の課題と国際協力:私たちの役割を考える」と題した日比NGOネットワーク(JPN)の学習会を開催しました。学習会テーマに関心を持った多くのNGO関係者らが集まり、JPN会員団体のスタッフを含め、計15名で学び合いました。
 

 伊藤氏は冒頭でフィリピンにおける経済社会開発の現状について、写真を用いて紹介しました。7,109もの島から成り立つフィリピンは、近年7%近い実質GDP成長率を記録しており、近隣のASEAN諸国と比較しても成長著しい国の一つです。経済成長が著しいと言われる一方で、より詳細に見てみると、(準)失業率や貧困率は高く、フィリピン国内の地域間においても格差が大きいことなど、多くの課題を抱えていることを説明しました。また、フィリピン都市部の交通渋滞などの公共インフラ整備の遅延問題については、1期6年という政権期間と、計画から施設完成までに長年を要するインフラ整備が必ずしも噛み合っていないという側面もある、との指摘がありました。
 上記のような現状のうち、経済課題としては、厳しい外資規制、いまだに完了していない農地改革、人口の約1割を占める海外出稼ぎ労働者からの送金が、GDPの約1割に相当する事実などを紹介しました。また、フィリピン社会について、家族の絆を重視し、キリスト教の赦しを大事にする社会であること、地震、台風、火山噴火などの自然災害と常に隣り合わせであること、2013年以降導入されたK to 12教育制度といった特徴があることなどを説明しました。
 フィリピンの経済社会課題に対し、日本は(1)持続的経済成長のための基盤の強化、(2)包括的な成長のための人間の安全保障の確保、(3)ミンダナオにおける平和と開発 の3つを重点分野として開発協力を進めており、全ての課題がODAで解決されるわけではないが、今後も途上国のオーナーシップを尊重し、協力を継続することが重要である、との指摘がありました。
 伊藤氏はこれまでにフィリピンJICA事務所長をはじめとする要職を歴任し、3政権の変遷をみてきました。ドゥテルテ氏が率いる現政権は歴代政権の支持率と比較し圧倒的に高い支持を得ていますが、これは、汚職が社会問題となっており、政治も経済も一部に集中しがちなフィリピン社会において、これまでの歴代政権がマニラ首都圏を中心とした政治を行っていた中、ミンダナオ島出身のドゥテルテ氏なら大きな変化をもたらせるのでは、という人びとの期待の表れとも言えると話しました。


IMG_6558.JPG  質疑応答の場面では、参加者それぞれの視点から多くの質問が寄せられました。参加者の中には、企業、NGOの立場でフィリピンと関わる人も多く、特に貧富の差、汚職問題、インフラ整備課題などについての関心が高かったようです。フィリピンの超法規的殺人、健康保険制度、債務問題等についても質問が寄せられ、伊藤氏は一つ一つに回答しました。また、フィリピンがアジアでも最も男女平等な国であるといった明るいニュースがありつつも、さまざまな社会課題を抱えるフィリピンに対して、「課題山積で理解しにくい」「外部者として、フィリピン社会に対し何ができるのか?」といった困惑した感想もあり、講師の伊藤氏による発表の終盤で問いかけがあった「私たちの役割とは?」に対しては、引き続き、各自が考えを深めていく必要があるようでした。
                                                (報告:堀部)