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日比NGOネットワーク(JPN)学習会「技能実習生と特定技能外国人を迎えて- 地域社会におけるNGOの役割を考える」を開催しました

2019年09月11日

日比NGOネットワーク(JPN)学習会「技能実習生と特定技能外国人を迎えて- 地域社会におけるNGOの役割を考える 」を開催しました

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 2019年6月24日(月)、東京都新宿区にある(特活)フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)隣りの会議室にて、日比NGOネットワーク(JPN)の本年度第1回学習会を開催しました。講師として「外国人技能実習制度」と在留資格「特定技能」に詳しい福田綾子氏、事例報告者としてJPNメンバーの公益財団法人オイスカの松野浩之氏をお迎えし、JPN正会員団体の役員・スタッフ、非会員のNGOスタッフ、企業社員および大学教員・学生等22名が参加し、共に学びました。
 

 福田氏からは、日本における在留外国人の現況が紹介された後、「外国人技能実習制度」と今年から新しく始まる在留資格「特定技能」のそれぞれの意義と仕組みについての話しがあり、オイスカの松野氏からは、オイスカが受け入れた前者の制度による技能実習生の経験についてお話しいただきました。

 福田氏は、まず、近年、在留外国人の数が年々増えていること、中でも「外国人技能実習制度」で来日する実習生の数が、2015年末19万2千人余りであったのが、3年後の2018年末には32万8千人に達し、全在留外国人約270万人の1割以上を占めていると紹介しました。そして、本制度に基づく実習生受入れの流れ、就労が認められる在留資格などについて説明が加えられ、さらに新設の在留資格「特定技能」を含む『外国人材受入れ・共生のための総合的対応策』と、『外国人共生センター(仮称)構想』についても、政府発表の資料を使って概要説明を行いました。

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 次に、政府による緊急措置とも言える、本年4月1日に施行された新たな在留資格「特定技能」について、その特徴を紹介しました。国際協力の推進を目的とした「外国人技能実習制度」と比較する形で、新制度は日本企業、とくに中小企業の労働力不足を補うことが目的となっていること、そのために、労働力不足が深刻な特定分野での必要な専門性と技能を持つ外国人材が対象となっていることが説明されました。そして特定技能外国人のサポートにおいては、住居確保等の支援、日本語学習支援、日本人との交流促進など、地域の住民団体のほか、NGOやNPOに期待される役割が多々あるのではないかとのことでした。これまで技能実習生の間に見られたように、雇用条件、組織内でのコミュニケーションや人間関係、人権問題が引き金となりトラブルが多発しています。「特定技能外国人」受入れが始まり、これまで以上により多くの外国人材が日本社会で増えていく中で、それぞれの制度、仕組みを正しく理解すること、また様々な面での受入れ態勢の充実が必要であることを提唱されました。
 参加者からは「より正しい情報を得るための情報源」「具体的なトラブル事例について知る方法」について質問がありました。福田氏は「質問に関係するデータは官公庁が公開している。ただ、こうしたデータでも、例えば技能実習生が失踪した原因が何だったのか、受入れ先と実習生双方の事情をしっかりと調査しないと、真実は分からない。」と回答されました。

 また、松野氏よりはオイスカでの外国人材受入れ事例を紹介いただきました。オイスカは、様々な活動を行っていますが、その一つとして、1960年代から途上国の研修生受入れの自主的な事業を行っており、政府の主導で1993年に始まった「技能実習生制度」の考え―日本で学んで母国の産業発展に貢献する途上国の人材育成―でオイスカの理念と合致するので、「技能実習制度」の技能実習生を委託事業として受入れたと言います。松野氏は、オイスカ独自の研修生受け入れ事業と比較する形で「技能実習制度」の実習生受入れ事業の事績、実習の内容等について詳しく説明しました。次に、研修風景の写真を使って研修生の様子を紹介し、研修は工業、農業の技術習得だけでなく、文化交流活動も行われていることも紹介されました。さらには、実習修了後の成果についても、自主事業の研修生受け入れと併せて紹介がありました。オイスカは、技能実習生受入れの優良団体として評価されていますが、実習生の日本語能力や、受入れ当事者との意識のギャップ、手続き上の苦労があることなどが語られました。
 参加者からは、「「技能実習制度」の目的は国際協力であるが、委託研修の場合、受入れる企業側が労働者不足解消を目的として考えていたら、どのように折り合いをつけるのか」、という質問があり、松野氏は「オイスカのビジョンは技能実習制度の目的と合致しており、受入れ企業を選ぶ際も同様に人材育成の部分で考えが合致する受入れ先を選ぶようにしている」と回答しました。また、「外国人材の生活サポート面において、地方自治体との連携はあるのか」との質問に対しては、「受入れ企業の近くには(オイスカの)センターがあり、オイスカの義務・責任として巡回指導を行い、センターでは実習生の日本語学習指導を行っている。地方自治体によっては、格安料金または無料で日本語学習サポート行っているところもあり、受入れ企業の中には、そのような自治体と連携しているところもある。」と回答しました。
  

 今後、外国人材の受入れ、在留外国人との共生について私たちは、一日本人として、またNPOやNGOの一員として活動する中で何ができるか、様々な視点からより真剣に考えていく必要があります。JPNでは、必要に応じて、正会員はじめ関係各位のニーズに応える形で学びの場を提供してまいります。


                                              (報告:堀部)